Mr. BOOT ROM 5 高容量320Wh/100000mAhの電源では最安値の部類であるといっても過言ではないが、リン酸鉄リチウムバッテリーを採用し、充放電可能なPD60W端子などを装備し、ACアダプタとPDの併用による充電も可であるなど、現時点で考えられる機能をほぼ網羅しています。細身で場所を取らないのも特徴です。価格からすれば非常によく出来ていると言えると思います。容量に関しては交流電子負荷がないので測定は出来ていませんが、他の方の放電試験の結果からするとほぼ規定容量だそうです。充電に関してですが、付属のACアダプターは45Wしかないのが残念ですが、60WPDと併用して105Whになり、2時間から3時間で満充電近くになります。もっと強力なACアダプタがあれば、さらに高速で充電できる可能性もあります。その他、断続負荷あるいは低負荷でも切断しないモードが搭載されていて、電気毛布や冷蔵庫に使うこともできます。ただし、電池の残量が20%くらいになったら止めることをおすすめします。もちろん50/60Hzの切り替えもできます。通常は60Hzがおすすめです。力率が20%高いからです(デフォルトでは60Hzになっている)東京は関西に比べて電気代を損しているのは有名なお話です。気になる点といえば、電池残量を電池の端子電圧で表示していること、ディスプレイが必要最小限でしかないことでしょうか。リン酸鉄リチウム電池は、容量と端子電圧が必ずしも比例関係にないので、充電終了時の電圧を100%として端子電圧に比例した残量を表示すると不正確になります。つまり、満充電から放電してゆくとすぐに容量が大幅に減るように見えてしまい、逆に80%くらいからはあまり減らないように見えてしまします。もし正確に表示するならば、電池のパラメーターをあらかじめデーターとしてもっておきながら、放電した電力量に応じて容量を計算しなければならないことになり、残量表示だけでもそれなりに手のこんだことをしなければなりません。まさに電池に対するジャイロ航法みたいなものかと。テスラなどの電気自動車でやっていることそのものです。おそらく、リン酸鉄リチウムを搭載した電源の多くは電池の残容量を正確に表示していないようにも取れますので、本機に限ったことではないとは思われます。逆に正確に表示するものの多くは、リン酸鉄リチウム電池ではないということでしょう。ちなみに1000Wとか2000Wとかの電力が必要なのであれば三元系のリチウム電池が有利ですがサイクル寿命に関してはリン酸鉄が有利です。総じて、ユーザーのことを考えて作られていて、余計なところにコストをかけていない、実質剛健、コストパフォーマンスのよい商品ということが言えると思います。