金 善龍 5 本作=米リメイク版邦題は「恋人はパパ?ひと夏の恋」で、仏オリジナル版邦題は「さよならモンペール」。こうして見比べると、既に邦題の質が作品の質を語っているようにも(ちなみに、前者の原題は My Father The Hero 後者の原題は Mon Pere Ce Herosで、意味は同じ)。本作は、その含蓄に乏しい邦題から容易に推測されるような、ドタバタ気味のロマンティック?コメディー。あえて特長を言えば、娘ニコル役のキャサリン?ヘイグルが可愛い(と言っても、やはりマリー?ジランの方がその可愛さにおいても女優としての器量においても遥か上をいっていると思うが)ことと、全編の空気がカラッとしていることだろうか。しかし、そのために、アンドレからニコルが自立していくところに窺える寂しさ混じりの喜びが、つまり、「親になるなら父親に子を持つなら娘を」に収斂される感動が、均されてしまったとも言えるのである。