Margarita Puno 4 真鍮と言うよりも砲金のような材質に、ずっしりした重量感。アジャストカラーで刃の出具合が調整可能。ダイヤルは1から7まで数字が振ってあり、8相当にMAXとある8段階調整。ダイヤル1で刃の中央を目いっぱい押し上げ、アールがきつくなる(=肌に当たる角度が寝て、マイルドになる)ところから、数字が上がるごとに押し上げ角度が減って、MAXでアールがかなり緩くなる(=肌に当たる角度が立って、アグレッシブになる)仕組み。軸の中にスプリングワッシャーが仕込んであり、これをダイヤルで押し上げたり下げたりするメカニズム。この辺含めて、全ての部品が分解不可能。さて、肝心な刃の出具合とダイアルの相関関係だが、ダイヤル1はかなりマイルド。フェザー特撰どころかミューレのR89よりもマイルド。もちろん、肌あたりは優しくも、キチンと剃れるが、逆剃りで若干の剃り残しを認める。ダイヤル3あたりがミューレのR89やフェザー特撰相当、ダイヤル4から5がニッキークラシック相当、ダイヤル6くらいがメルクール334C相当、MAXでもミューレのR41ほどアグレッシブではないが、相当に近いアグレッシブさなので、いきなりMAXで肌に当てないほうがよい。例えば、終末髭剃りをさぼった月曜日、無精ひげをまず1パス(順剃り)の時にダイヤル1で優しく剃り落とし、2パス(横剃り)の時にダイヤル4で少し深めに丁寧に剃り上げ、3パス(逆剃り)の時にダイヤル7からMAXで丁寧に軽く剃り上げる、なんてすればつるつるでヒリつかない肌の朝を迎えられる。まぁ、最初からメルクール334C使えば解決なのだが、「可変メカニズム」に少年の心をくすぐられる。昔、ジレットかシックにこのようなバタフライ型可変ダイヤル式の、よく似たデザインのホルダーがあった。本品はそれのデッドコピーかもしれない。分解ができないため、粉せっけんのカスなどが次第にメカに溜まってきてしまうかもしれない。また、メッキのない真鍮素材剥き出しのため、緑青(10円玉が青緑っぽく錆びる、あれ)にも気を付けなければならない。だが、メッキが無いという事は、定期的に超音波洗浄をしても大丈夫というメリットもある。使ったら必ずぬるま湯でよく洗い、風通しの良いところにおいておけば、長持ちすると思う。幸い、中のスプリングワッシャーはステンレス製のようだ。使わないときにはダイヤルMAXにして、スプリングを休ませてあげよう。メカ自体は結構精度良く、堅牢なつくりだ。ハンドルのローレットもフェザー特撰とまではいかなくても、結構泡まみれの指にしっかり食いついてくれる。何より重量がずっしりとしているところがよく、自重で剃れるために力加減が楽だ。一つ不満を合わせてもらうと、刃のカバーをいっぱいに開けた時の開度が、日本のニッキークラシックのそれに比べて、写真(左が本製品、右がニッキークラシック)のように狭く、大切な刃のエッジをぶつけてしまいそうな危うさがある。刃の出し入れ時に、バタフライ内側にエッジが接触しないよう、気を付ける必要がある。